毎年、兵庫県西宮市の甲子園球場で行われる全国高校野球選手権大会。
敗北したチームが甲子園の砂を持ち帰るということが風物詩になっているのですが、どうしてこのような行事が行われたいるのか疑問に感じた方もいらっしゃるかと思います。
どうして甲子園の砂を持ち帰る文化ができたんだろう?
この記事では、甲子園の砂を持ち帰るようになった理由やいつから始まったのか調査してみました。
甲子園の土(砂)を持ち帰るのはなぜ?
甲子園球場にある土(砂)を持って帰るのは、理由が2つありました。
- 高校球児の夢の舞台であるため思い出として持ち帰る
- 負けた悔しさを忘れないため
負けたチームもですが、優勝したチームも全部のプログラムが終了した後に甲子園のグラウンドにある土をシューズバックに入れて持ち帰っています。
そして、極稀にですが、持ち帰らないチームも出ています。
その1つが、2023年の105回高校野球選手権大会で広陵高校でした。
第105回全国高校野球選手権記念大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の3回戦で慶応(神奈川)に敗れた16日、選手たちは甲子園の土を持ち帰らなかった。
朝日新聞
つまり、必ずしも持って帰らなければならないということではありません。
むしろ、グラウンドの土を持って帰るというのは禁止されています。
ただし、甲子園の所有者の計らいからスパイクに付いた土という認識で黙認されているだけなんですよね。
そっか、だからシューズバックに入れてスパイクについた土ってことにしてるのね
甲子園の土(砂)の使い道は?
持ち帰った砂に関しては、多くの場合ガラス瓶に入れて保管されています。
ただ、いろんな使用用途があって主にお世話になった方へ配られているのだそうですよ。
- ガラス瓶に入れて保管
- グランドに立てなかった仲間に配る
- 近所の方に配る
- 学校のグラウンドに巻く
- 家の庭に巻く
などです。
主に、学校のグラウンドに巻かれることが多いようで、「悔しさを忘れないため」という意味を込めていることがわかりました。
また、近年ではメルカリに高額で転売されている方もいらっしゃるようで出品されている方もいらっしゃったようで、球場や野球関係者の間でも問題視されているようです。
高校野球部の3年生に贈られた「甲子園の土」入りのキーホルダーが、フリーマーケットアプリ「メルカリ」に相次いで出品されていたためだ。
高く売れるのかもしれないけど、残念すぎる
甲子園の土(砂)を始めて持って帰ったのは誰?
甲子園の土(砂)を持ち帰る文化が始まったのは、諸説ありますが1937年の第23回大会からと言われています。
当時、熊本工業の投手をしていた川上哲治(かわかみ てつはる)さんという方が、決勝戦で敗れた際にユニフォームのポケットに入れたことが始まりと言われていますね。
川上さんはその土を母校のグラウンドに巻いて、後輩たちに夢を託しています。
ただし、このときはあまり甲子園の土を持って帰るのが広まったわけではありません。
甲子園の土を持って帰るという文化ができたのは、1947年大会からでした。
その後、川上さんはプロ野球選手となり「打球の神様」として活躍後、巨人軍で監督としても活躍されています。
残念ながら、2013年10月28日に老衰のため亡くなっています。
甲子園の土(砂)を持ち帰る文化が広まった経緯
福嶋一雄さん死去、89歳 甲子園の土を最初に持ち帰る https://t.co/ACXoSJIvId
— バーチャル高校野球 (@asahi_koshien) August 27, 2020
持ち替え得る文化ができたのは、1947年の第19回選抜中等中学校野球大会からです。
小倉高校のエースとして活躍されていた福嶋一雄(ふくしま かずお)さんが、甲子園の土を持って帰ったのがきっかけになりますね。
福嶋さんは、甲子園大会の3連覇の掛かる試合で準々決勝で岡山県立倉敷工業に敗北した際にポケットに土を入れたところを記事となって広まりました。
このときのエピソードが感動的だったということで話題になり、本人は無意識で足元にあった土を掴んでポケットに入れたそうなのですが、「甲子園の土を最初に持ち帰った球児」として当時話題になりました。
残念ながら、福嶋さんは膵臓がんのため2020年8月27日に亡くなっています。
甲子園の土(砂)が持ち帰り禁止にもなったことも
甲子園の土に関しては、2019年~2022年までの大会で「持ち帰り禁止」となったことがありました。
理由は、2020年頃から広まったコロナウイルスの感染拡大のためです。
ただし、2023年の大会からはその措置が解除されて例年通りに土を持ち帰ることが可能になっています。
2019年以来、4年ぶりに試合後のグラウンド上で選手が土を集めることが可能となる。
日本経済新聞
甲子園の土の文化戻ってきてよかった!
まとめ
甲子園の土に関しては、1937年の大会から持ち帰っていた方がいらっしゃいました。
実際に広まったのは福嶋一雄という方で、当時のエピソードが感動的だったため、真似する人が続出して広まったようです。
一時的に土を持ち帰ることが禁止になったこともありましたが、現在は例年通り持ち帰られるようですよ!
参考になれば幸いです。
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